軽井沢の森に溶け込むように建つ平屋の一軒家。別荘となるこの家のリフォームとインテリアコーディネートをご依頼いただきました。
選び抜かれた建材やこぢんまりとしながらも心地よく過ごせるよう計算され尽くした動線、自然に囲まれた環境を十二分に活かすよう広く窓が設けられた平屋。もともとの素材はよいものでしたが、すべてが白い空間でメリハリに欠け、森での時間が感じにくいものでした。
お客様のご希望は、森の気配を存分に楽しみながら、 “ゲストの皆さんにくつろいでほしい”、“おもてなしの空間にしたい”というもの。本質を見極める聡明なお客様。遊び心と地に足のついたお考えのバランスが絶妙なご要望に応えるべく、全面的なリフォームをするのではなく、要所要所で少しづつ手を入れ、一部壁面にタイルを用いることにより空間にアクセントを加え変化を生み出しました。

また前述の通り、なんといってもお家を取り囲む森の風景が素晴らしく、すでに建物もその環境を意識したつくりになっていました。窓が大きく、どこにいても緑が飛び込んできます。インテリアによってこの土地の魅力をさらに引き立てることを大切にしました。
薪ストーブが設置された全面ガラス張りの玄関にはシンプルなアアルトのベンチだけを設置し、森と建物が一続きになっているようなアプローチをしたり、畳敷きの小上がりに選んだ座椅子は窓を臨むように配し、リラックスして自然との対話を楽しめる空間に仕上げたりと工夫しました。



他にも、視界を狭めないようカーテンではなくスクリーンを選ぶ、圧迫感が出やすくなる背の高い家具は置かない等、自然と同じ目線で穏やかに過ごせる空間を目指しました。
人が集まり、もてなしをする場の中心としてコーディネートしたのはダイニングルーム。国産の木材で作られた大きなダイニングテーブルとチェア、さらに窓側はベンチにして、親密な集まりを可能にしました。


アイキャッチになるペンダントランプはヤコブソンのもの。ナチュラルなパイン材のシェードに灯が点ると、優しいオレンジの光が集う人々の表情を優しく照らしてくれます。壁には繊細なフレームが美しい鏡をシンメトリーにかけました。そこにランプがそっと映り込むように計算済み。アートとしてお部屋を彩ってくれます。あふれる森の木々とオレンジ色の光、そこにお客様が大好きなブルーのクッションを並べて、歓迎の気持ちを表しました。
森の家にはやはりゆったりとした時間が流れています。ここで過ごしていると、タイパ、コスパ、省スペースとは対極にある価値観が顔を出します。時間をかけて慈しむこと、じっくりと味わうこと、不便さを楽しむこと、そんな豊かさに気づくのです。インテリアにもその価値観を宿したいと思い、お客様の趣味であるワインのグラス収納として、80年ほど前に作られたというイギリス製のキャビネットを廊下に置きました。もともとガラスの仕切り板が付いていましたが、グラスとの相性を考えて木製にチェンジ。天板には気分に応じてアートを飾ったり、コレクションを並べてみたりと、お気に入りのコーナーを作ることができます。ここにしかないものをインテリアに取り入れる贅沢を、ぜひ経験してほしいと思います。

空間の個性は、土地の魅力と住まう人の思いが掛け合ってできています。インテリアによってその個性をさらに輝かせたい、そんな思いで取り込んでいます。
※こちらの物件では、リフォーム、家具セレクト、食器類、家電製品、ダストボックス、リネン類、必要備品などすべて一式ご提案させていただいています。

